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2014年2月28日金曜日

寿命1時間、儚すぎる・・・

新種か?はかな過ぎるカゲロウ発見!!

福島大共生システム理工学類の研究グループが、福島県北塩原村の檜原湖近くにある沼で、新種とみられるカゲロウの一種を発見した。

カゲロウの仲間は、羽化した成虫の寿命が1日~1週間程度と短いが、今回発見した種は1時間未満と、さらに短命という。グループは、3月2日に猪苗代町で開かれる同大の研究成果報告会で発表する。

見つかったのは、全国各地の川などに生息する「ヒメシロカゲロウ」の一種。同大大学院の修士課程1年、増渕翔太さん(23)と、塘忠顕つつみただあき教授(昆虫比較形態学)らが2011年秋、裏磐梯の生態系の調査をしていた際に、檜原湖から東に数百メートルの沼で捕獲した。人が容易に立ち入れない場所という。

ヒメシロカゲロウはこれまで、国内で4種しか確認されていない。この時に捕まえたのは幼虫で、体長が約7ミリと、ほかのヒメシロカゲロウの仲間と比べて2倍近いのが特徴だ。その後の詳細な調査で、胸の形状が異なるほか、ほかの種ではみられない、脚に茶褐色の帯状の模様があることが分かった。

世界ではヒメシロカゲロウの仲間は約150種いるが、そのどれとも異なる特徴から、新種と断定した。現在、論文を準備中で、専門誌に掲載されれば正式に新種として認められる。

増渕さんは、「最初は新種とは思わず、形態を調べていくうちに新種の可能性が高いということが分かり驚いた」と話す。

檜原湖の東側一帯にある沼のほか、福島市の土湯温泉周辺の沼での生息を確認したが、檜原湖そのものでは見つかっていないという。

県内の一部の沼でしか見つかっていないことについて、塘教授は「発見した沼はいずれも幼虫の餌となる有機物が多い。生息に良い条件が整っているためではないか」と推測する。

カゲロウの分類に詳しい信州大理学部の東城幸治准教授(系統進化学)は「北方系や大陸のカゲロウは大型が多い。今回の新種もヒメシロカゲロウの仲間では比較的大きく、由来や進化の過程を考える上で興味深い」と話している。

2014年2月28日08時34分  読売新聞)

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